その後で・・・其二


 藪ノ中高校で、鬼太郎とネコ娘は人間に交じっての高校生活をスタートさせることになった。
ネコ娘は持ち前の人懐っこさですぐに生徒達に馴染むと
お得意の情報収集を始めていた。

「鬼太郎〜!祠の情報集めて来たわよ。
 みんなが言うには祠は古い物らしいけど、噂になり始めたのはごく最近だって。
 でも、誰が言い出したのかはサッパリ分からないのよ」

「祠の妖怪が人間を誘き寄せるために噂を流したのかも知れませんね・・・父さん」

鬼太郎の髪が微かに揺れる。
目玉の親父が隠れているのだ。

「ボクもさっき祠の近くまで行ってみたけど・・・結界に阻まれて近づけなかった」

「鬼太郎でも破れないほど強力なの?」

相手は強敵かも知れない・・・ネコ娘に緊張が走る。

「いや・・・結界自体はそれほど・・・でも、相手を警戒させずに祠に入る方法があるのに
 そんな力技使う必要ないだろ?」

「相手を警戒させずに・・・?そんなこと出来るの?」

怪訝な表情を浮かべるネコ娘に鬼太郎が微笑む。

「ネコ娘。手伝ってくれる?」

「任せて!私で出来ることならなんだってする!!」

「そう・・・良かった・・・それじゃぁ・・・」

鬼太郎がネコ娘に作戦を耳打ちする・・・すると彼女の顔が見る見る朱に染まり・・・

「にゃっ!」

教室を逢魔ヶ刻の薄闇が染めていく・・・そろそろ闇の住人が蠢き出す時刻だ・・・






 遠くで部活をする生徒達のざわめきや吹奏楽の曲とも知れぬ音がこの竹藪にも届く。
しかし、中に入ると鬱蒼と茂る竹藪に阻まれ、校舎さえ見ることは出来ない。
藪を掻き分け進むと朽ち掛けた小さな祠が見えてきた。

「行くよ」

鬼太郎はネコ娘の手を握り、祠に近づく。

−−−やっぱりボクの思った通り・・・男女ふたりなら結界は開くように作ってある・・・−−−

祠の前には多少のスペースと座るには丁度良い大きさの石が据えられている。

−−−何から何まで用意してくれてるってことか・・・−−−

鬼太郎は祠が真っ正面に見えるように石に腰掛け、その膝の上にネコ娘を導く。
この位置なら祠からはネコ娘の背しか見えない。
ゆっくりと二人の唇が重ねられる・・・

フリだけでいい・・・そう言われていたネコ娘は軽く己の唇を重ねた。
が、その閉じられた唇に鬼太郎は舌を半ば強引に割り入れる。

「ん・・・んん・・・にゃぁ!!」

「ん?どうしたの?」

{フリだけって言ったじゃないよぅ!それに・・・}

ネコ娘がチラリと鬼太郎の髪に目をやる。

{父さん?父さんなら教室で封印札を書いてるからここにはいないよ・・・
 それに、恥ずかしがって手を抜いてたら相手に見破られてみんなを助けられなくなる}

キミはそれでもいいの?___ネコ娘を見つめる隻眼がそう問い掛ける。

鬼太郎の肩に置かれたネコ娘の両手が彼の上着をギュッと掴んだ。
覚悟を決めたのだろう・・・

再び二人の唇が重なり舌を絡ませ合いながら、鬼太郎は片手で器用にネコ娘の胸のボタンを外していく。
制服に隠されていた白いレースを上にずらすと、二つの青い果実が現れ、
鬼太郎はその頂にある薄紅色の小さな蕾を指で弄ぶ。

「にゃは・・・ん」

重ねられていた彼の唇が離されるが、まだ二人の間を細い糸が繋いでいる。
鬼太郎の唇は首筋を通り鎖骨・・・そして既に固く尖った蕾に辿り着き、吸い付き、転がす・・・

「にゃはぁ・・・ダメにゃ・・・」

鬼太郎の膝の上、足を広げるように座らされたネコ娘の小さな布に隠された部分に
ズボンを力強く押し上げ ビクッ ビクッ と脈打つのさえ分かる彼自身を押し当てられると
これが妖怪を誘い出すための作戦だということなどネコ娘の頭からはすっかり消え去り
自然と腰が揺れる。

「もう我慢出来ないみたいだね・・・ここに欲しいんだろ?」

鬼太郎がシットリと濡れた布の上から縦線を撫で上げた。

「うにゃぁぁ・・・ん」

ネコ娘が甘い声を上げると同時に鬼太郎の妖怪アンテナが反応を示す。

−−−来たな!−−−

ネコ娘を庇う様に鬼太郎は自分の後方に退かせるが、祠の扉が開いた途端伸びてきた
大きな舌の様な黒煙に鬼太郎、ネコ娘共に絡め取られ、
そのまま祠の中へと引き摺り込まれてしまった。

ギィィィィィ・・・・・・パタン・・・

何事も無かったかの様な静けさが戻った竹藪にネコ娘の制服のリボンだけが
吹き抜ける風に揺れていた・・・




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