二度目の・・・
「鬼太郎〜!いるぅ?」
入口の筵を上げ中を覗くネコ娘だが、鬼太郎親子の姿はなく
「んにゃっ!いない!!」
ガックリと肩を落とす。
3日ほどバスガイドの仕事で横丁を留守にしたネコ娘は、仕事が終わると持ちきれないほどの土産を抱え、
ゲゲゲハウスに飛んで来たというのに・・・
「ねぇ。鬼太郎どこ行ったか知らない?」
囲炉裏を灯すつるべ火に尋ねるが、『知らない』とばかりに横に揺れる。
「んもぅ〜!どこ行っちゃったのよぅ!」
だが、囲炉裏の傍らには読み掛けの本が伏せられ置かれている。
すぐに帰って来るつもりなのだろう。
ネコ娘は勝手知ったるこの家の台所に立ち、鬼太郎親子が帰って来たらすぐに食べられる様に
夕飯の準備に取り掛かった。
ゲゲゲハウスの外にも焼き魚の香ばしい香りが漂い始めると
それを嗅ぎ付けたかのようにねずみ男が顔を出した。
「鬼太郎〜!また小魚でも焼いてんのかよ!たまには栄養つけねぇと・・・ゲッ!ネコ娘!!」
「“ゲッ!”とは何よ!!お生憎様!鬼太郎だったら留守よ!
おこぼれに与ろうたって、そうはいかないんだからね!!」
「ケッ!誰がそんなしけたモン喰うかよ!
オレ様はだなぁ、たまには鬼太郎に高級料理を奢ってやろうとだなぁ・・・」
「高級料理?あんたが高級料理を奢るですってぇ?!
まさか!また人間を騙して儲けたんじゃぁないでしょうね?!!」
瞬時に猫化し、長く鋭い爪を構えた。
「バ・・・バカ言ってんじゃねぇぞ!そ・・・そんなことするワケ・・・」
今にも飛び掛からんばかりのネコ娘に、ねずみ男は一目散でゲゲゲハウスを飛び出して行った。
やはり、後ろ暗い処があるようだ・・・
「待ちなさいよ!!・・・あっ!イタッ!」
ねずみ男を追い掛けようとしたネコ娘だが、何か固い物を踏み、足が止まった。
「何これ?」
拾い上げると青い包みに包まれた飴玉のようだ。
−−−ねずみ男が落として行ったのかしら・・・?−−−
だとしたら碌な物ではない・・・ネコ娘は用心深く包みを開けてみる。
が、中から現れた飴玉はミルク色で極普通のそれに見える。
ゴクッ・・・
喉が鳴る。
そう言えば・・・ツアー客が初日から迷子になったりとトラブル続きで、
ここ3日、まともな食事をしていない。
仄かな甘い香りがネコ娘の鼻を擽ると、我慢も限界とばかりに
ミルク色の飴玉を口の中に放り込んだ。
「美味し〜い!!」
それは口の中で数度転がすと、すぐに溶けてなくなってしまった。
−−−変なの・・・もうなくなっちゃった・・・−−−
多少怪訝に思いながらも、また夕飯の準備に戻ろうと足を一歩前に踏み出したその瞬間・・・
「はにゃっ?!!」
両足の間に違和感を感じる。
女の子だったら決して感じることのない未知の感覚。
恐る恐るネコ娘はスカートの下に隠されたその部分に手を当ててみる・・・
「・・・!!・・・んぎゃぁぁぁぁぁ―――――――――!!!」
ある筈のない物体が確かにそこに付いている。
「うっ・・・にゃぁ―――――ん!!」
パニック状態でゲゲゲハウスを飛び出すと、森の奥の自宅に戻り
そのまま布団を被り閉じ籠ってしまった。
「ねずみ男の奴、どこに隠れてるんでしょうね?」
「全く!あんな物を人間に売りつけおって!まだわし等にバレたことは気付いておらんから
そのうちフラリと顔を出すじゃろうよ」
ねずみ男を探し疲れた二人が、ゲゲゲハウスに戻ると
ネコ娘の荷物が乱雑に置かれているのが目に入った。
綺麗好きのネコ娘がこんなに散かった置き方をするなど考えられない。
しかも、鬼太郎が台所に目を向けると夕飯の準備も途中のままになっている。
「鬼太郎!ネコ娘に何かあったのでは・・・?!」
「ちょっとネコ娘の家まで行ってみます。父さんはここで待ってて下さい」
急ぎ鬼太郎は森の奥、ネコ娘の家へと向かった。
「ネコ娘!いるんだろ?」
家の中にネコ娘は確かにいる。
その気配で怪我をしてるわけでも病気というわけでもないことが分かる。
鬼太郎はホッと胸を撫で下ろした。
が、玄関に鍵を掛け、鬼太郎の呼び掛けにも出て来ようとはしない。
いつもなら一声掛ければすぐに飛んで来るのだが、
またいらぬ噂か何か耳に入って、拗ねているのだろうか?
取り敢えず、化け鴉にゲゲゲハウスで心配しているであろう父親に
ネコ娘の無事を知らせてくれるよう頼むと
−−−しょうがないなぁ・・・−−−
鍵穴に掌を翳した。
____カチャッ____
この少年にとって鍵など幾つ掛けても無駄なだけだ。
「ネコ娘?」
「うにゃぁ―――――――ん!!来ないでよぅ!
私もう生きていけない!!」
「生きていないって大袈裟だなぁ。兎に角、何があったか話してごらんよ」
「・・・」
「あぁそう・・・ネコ娘にとってボクはそんなに頼りにならない存在なんだ」
「・・・そんなことない!」
「だったら話せるよね?」
「・・・」
それでもネコ娘は黙ったまま布団を被り続け、顔さえ出そうとしない。
「いいよ。ずっとそうしてなよ。でもボクはキミが話してくれるまで
ここを絶対動かないからね」
「・・・」
「喩、今、人間社会で妖怪が大暴れしたってボクはここを動かない」
「・・・えっ?」
「ネコ娘は人間社会が妖怪に破壊されてもいいんだね?
大勢の罪の無い人間が被害に遭うだろうなぁ・・・」
「そんなのダメ!!絶対ダメ!!」
鬼太郎のズルイ論法に引っ掛かり、思わず布団から顔を出してしまったネコ娘は
意を決したように身体を布団に潜らせたまま、先程の出来事をポツリポツリと話し始めた。
「・・・でね・・・その飴を食べたら・・・うにゃ・・・にゃわぁ――――――ん!!」
それでもその身に起きた異変は、口が裂けても大好きな鬼太郎に言えず
またまた大粒の涙が零れる。
「ねずみ男が闇市で見つけた飴玉が原因か・・・だったら・・・」
「やっぱりあいつの仕業だったのね!!」
怒りのあまり今まで布団の中で丸まっていたネコ娘がガバリと起き上がる。
「・・・あっ・・・」
しまった!____しかし、服の上からではこの変化は分からないだろう・・・
ネコ娘がそう思った瞬間、鬼太郎に手首を掴まれ引き寄せられた。
「闇市で売ってるあの飴玉は、男女を入れ替える作用があるんだ」
鬼太郎の手がネコ娘のスカートの中に滑り込む。
「やだ!鬼太郎!止めて!!」
抵抗するが、力ではとても鬼太郎に敵わない。
彼の手がネコ娘のモノを撫で摩ると、痛いぐらいに固く立ち上がっていき
早くも熱が込み上げる。
「きたろ・・・ダメ・・・それ以上したら・・・」
「もう抑えられないだろ?イッていいよ」
鬼太郎の言うとおりだ。
きっと果てる以外にこの込み上げてくる熱を抑えることなど出来ない。
「にゃっ!もう・・・ダメェ〜!!」
そう叫ぶとネコ娘は身を硬くし彼の手の中で初めての放出感を味わい
そして崩れ落ちる様に鬼太郎に身を預けた。
−−−キミの“初めて”を二度も奪えるなんて・・・ねぇ・・・−−−
鬼太郎の身にゾクゾクした快感が波の様に幾度も押し寄せる。
彼にとってネコ娘が男だろうが女だろうがそんなことは全く関係が無い。
ネコ娘がネコ娘ならそれだけで欲情するのだ。
まだ息を荒くしグッタリしているネコ娘を抱き鬼太郎が囁く。
「出すだけ出せば飴玉の作用も消えるよ・・・安心してボクに任せて・・・」
ネコ娘の服を剥ぎ取るとプルンと二つの果実が零れ落ちる。
どうやら変化しているのはアノ部分だけのようだ。
鬼太郎の唇が先端の蕾に吸い付き、舌で転がすと堪らずネコ娘が甘い声を上げる。
「にゃはぁ・・・ん・・・きたろ・・・」
「ん?」
「きたろぅに・・・にゃぁん・・・」
胸を愛撫されたままでは話すこともままならないネコ娘は
両手でグイッと鬼太郎の身体を離した。
「これ以上鬼太郎に迷惑は掛けられないよ。大丈夫!出すだけ出せばいいんでしょう?
私ひとりで何とか・・・」
「自分で触ることも出来ないのに?」
「鬼太郎のだと思えば・・・大丈夫よぅ!」
鬼太郎に迷惑を掛けまいと強がってそう言うが、普段から積極的に鬼太郎の男性自身に
ネコ娘が触れることなどない。
それに、こんな滅多にないチャンスを逃す鬼太郎でもない。
「じゃぁ・・・キミがひとりで大丈夫かどうか・・・やって見せてよ」
込み上げてくる笑いを噛み殺し、少し尖った耳にそう囁くと
「うっ・・・」
忽ち言葉を詰まらせ潤んだ瞳が困った様に揺れる。
「だからボクに任せて・・・迷惑なんかじゃないから・・・」
ネコ娘の背に舌が這わされ、唇が花びらを幾つも散らす。
それは少しづつ下へと向かい、瑞々しい桃の割れ目に隠された隠花へと伸ばされた。
「!!きたろ・・・そこは・・・」
ネコ娘が辛くならないように鬼太郎は丹念にそこを潤し、指を一本二本と差し込み掻き回す。
最初こそ硬く閉ざされていた隠花だが、徐々に鬼太郎の行為を受け入れ
更にはヒクヒクと蠢き始めた。
内心これには流石の鬼太郎も舌を巻いた。
彼女の身体は全てが男を喜ばせる様に出来ているようだ。
「大丈夫・・・力を抜いて・・・」
そそり立つ鬼太郎自身をゆっくりと隠花に侵入しながら、
片手でネコ娘の異物を上下に摩る。
程無くして
「きたろ・・・イッちゃ・・・にゃぁ・・・」
二度目の白濁液を吐き出し、ネコ娘は息も荒くグッタリとするが、
飴玉の影響か、はたまた未知の快感を知った所為か、彼女の異物はまだまだ萎える気配は無い。
その間も鬼太郎自身を飲み込んだ隠花は、淫靡に蠢き彼を責め上げてくる。
「くっ・・・」
せめて彼女が三度目の果てを見てから・・・鬼太郎は奥歯を食いしばり
ネコ娘の異物を擦る手の動きを速めた。
「や・・・またイッちゃう・・・」
切なげな声でそう言うと、彼女の背がガクリと崩れ落ち、
それを見届けた鬼太郎もまた隠花の奥深くに耐えていた熱を放出させた。
もう何度二人で果てただろうか・・・?
ネコ娘は既に気を飛ばし、壊れた人形の様に力無く横たわっていたが、
カーテンの隙間から朝の淡い光が射し込むと気だるそうにゆるゆると瞳を開いた。
「きたろ・・・身体・・・私の身体は?」
まだ頭がハッキリしていないのだろう。
たどたどしい喋り方だ。
「大丈夫。元に戻ってるよ」
「良かったぁ〜!」
心からホッとした表情でネコ娘は笑顔を浮かべるが、
次の瞬間、何かを思い出したように急に真顔になり
「鬼太郎・・・鬼太郎は・・・その・・・経験あるの?」
少々聞き辛そうに尋ねた。
「えっ?何の?」
「えっと・・・あの・・・男同志って言うか・・・」
「経験はないけど知識として多少はね」
昨夜の鬼太郎の行為はとても手慣れているようにネコ娘には思え、
とても知識だけとは信じられない。
−−−ま・・・まさか蒼さん?!・・・違う!違う!!蒼さんはそんなんじゃない!!
だとしたら・・・もしかして・・・考えたくは無いけど・・・ねずみ男?!!−−−
ネコ娘得意の妄想が頭の中でグルグルと駆け廻る。
が、髪に鬼太郎の指が絡まされ、現実へと引き戻された。
「えっ?何?鬼太郎」
「だからさ・・・身体も元に戻ったことだし・・・」
そう言いながら鬼太郎はネコ娘の身体に覆い被さるように組み敷く・・・しかし・・・
「ふぅぅぅぅぅ――――――っ!!ねずみ男となんて!!鬼太郎不潔よ!!」
毛を逆立て猫化して突き飛ばされてしまった。
「へっ?ねずみ男?」
確かにねずみ男は不潔だが、何故自分までそんな言われ方をするのか訳が分からない鬼太郎は
ネコ娘の妄想が消えるまで、暫くはお預けを喰らうことになりそうだ。
完
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