目隠し鬼


砂掛けに頼まれた買い物を済ませ人間界から鬼太郎とネコ娘が横丁に戻ると
妖怪アパートの前でアマビエがひとりポツンと座っている姿が目に入った。

「鬼太郎・・・アマビエ、寂しそうだね・・・」

「喧嘩相手がいないからね」

「それだけじゃないわよぅ!ホント、鬼太郎って女の子の気持ちに疎いんだからぁ」

かわうそがオベベ沼に里帰りしてそろそろ一週間が経とうとしている。
いつもは顔を合わせれば喧嘩ばかりのアマビエとかわうそだが
お互い相手の事が気になって仕方ないのだ。
小学生ぐらいの男の子が好きな女の子にいらぬちょっかいを出し
喧嘩になってしまう・・・二人は丁度そんな年頃なのだ・・・

「そうだ!!砂掛けにこの荷物届けたらアマビエを元気付けてあげようよ!」

ネコ娘の提案に鬼太郎は面倒臭そうな顔をするが
他人の為に・・・とスイッチが入った時のネコ娘は誰にも止められるものではない。

−−−やれ やれ・・・今日は二人きりでゆっくり過ごそうと思ってたのに・・・−−−

ひとつ溜息を吐くと、このお節介な猫に付き合うことにした。

「で?どうする気だい?」

「う〜ん・・・アマビエに付き合ってコスプレするとかぁ・・・?」

それは勘弁してほしい・・・鬼太郎の頬がヒクリと動く。

「鬼太郎は何がいいと思う?」

「・・・目隠し鬼・・・」

「あっ!楽しそう!!」

瞳を輝かせてワクワクした声色でそう言うネコ娘とは反対に
鬼太郎の口元には薄い笑みが象られていた・・・

−−−目隠し鬼・・・本当に楽しきゃいいけど・・・ねぇ・・・−−−








最初はじゃんけんで負けたネコ娘が鬼になり、アマビエが捕まった。
次に鬼になったアマビエは苦戦しながらも鬼太郎を捕まえることが出来た。

「鬼太郎!妖怪アンテナ使ったら反則だよ!」

目隠しを施しながらアマビエが注意し、鬼太郎がひとつコクンと頷く。
すっかり元気になったアマビエの様子にネコ娘も嬉しそうに笑みを零した。

「ネコ娘!何ボーっとしてるのさ!早く逃げなきゃ捕まっちゃうよぅ!!」

鬼太郎が鬼になり目隠し鬼が再開された・・・

♪鬼さん こちら 手の鳴る方へ♪

♪鬼さん こちら 手の鳴る方へ♪

鬱蒼と茂る薄暗い森の中、アマビエは右へ、ネコ娘は左へと逃げて行く・・・

−−−左・・・だね・・・−−−

妖怪アンテナなど使うまでもない。
ネコ娘の気配ならどんな状態でもすぐに捕えることが出来る。
鬼太郎は真直ぐにネコ娘の逃げた左へと進んで行った・・・

「鬼太郎!アタイはこっちだよぅ!!」

アマビエがそう叫んだ時だった・・・後ろの茂みがガサガサっと音をたて

「こんなトコでなにやってんだぁ?」

丁度オベベ沼から戻って来たかわうそに声を掛けられた。

「な・・・何ってアタイは鬼太郎と遊んでんだよ!」

かわうそが辺りをキョロキョロ見回すが誰の姿も見えない。

「もう夕飯の時間だぞ。砂掛けが心配する・・・」

「ひらめいた!!」

かわうその言葉が終らぬうちにアマビエの予言のようだ。

「ひっ!・・・おいら・・・聞きたくないぞ〜〜〜〜〜〜!!」

耳を塞ぎ逃げるかわうそを

「待っておくれよぅ!!」

追いかけるアマビエ・・・しかし、この予言はこの時初めてではなかった。
前から時々ひらめいているのだが、アマビエはこの予言の内容を誰にも言うつもりはない。
何故なら・・・

−−−ネコ娘が鬼太郎に食べられちゃう・・・そんなことあるわけ無いじゃないか・・・
   アタイの予言も錆び付いたもんだねぇ・・・−−− 

オーバーに両手を広げ溜息を吐くと、また逃げたかわうそを追い掛けて
森を出て行った。






「ネコ娘・・・アマビエは横丁に戻ったようだよ・・・
 これからが本当の目隠し鬼の始まりだねぇ・・・さぁ・・・鬼に狩られないように
 ちゃんとお逃げ・・・」

クスクス笑う鬼太郎の纏う妖気がネコ娘にも判るほど冷たく闇の色を帯びている・・・

最初は・・・ほんの少し、ネコ娘を怖がらせようとの悪戯心だった・・・
だが、目隠しをしてる所為だろうか・・・己の闇の声に気付いてしまった・・・

___蒼坊主が帰って来たあの日・・・途中で偶然に会ったと言って二人は腕を組んで
   楽しそうに横丁に戻って来た・・・
   それに・・・武術の練習に飛騨に行く時の彼女の笑顔・・・
   あれは・・・黒鴉と逢えるのが嬉しいからではないのか・・・
   それだけではない・・・数え上げればキリがない・・・
   その度に引き千切られ焼け付くような痛みをキミはボクに与えるんだ・・・
   だから・・・今日はキミがボクだけの猫だってことを教えてあげるよ・・・
   その・・・キミの身体に・・・ねぇ・・・ネコ娘・・・


「それで隠れてるつもりかい・・・?あぁ・・・足が竦んで動けないんだね・・・
 可哀想な猫・・・このままじゃ鬼に狩られて食べられちゃうよ・・・」

愉しそうに笑う鬼太郎の妖気が先程より更に闇に染まる・・・

−−−私のことをからかってるだけよ・・・怖がることなんて全然・・・−−−

それでも足が小刻みに震え、手で押さえていなければ心臓が飛び出してしまいそうな程高鳴り
もう逃げることもままならない。

ガサッ・・・ガサッ・・・

一歩一歩確実に鬼は猫を追い詰めていく・・・

フワッ・・・

特有の甘い香りとともにネコ娘が鬼太郎に抱きついて来た。

「私・・・鬼太郎に何か悪いことした?・・・だから意地悪するの・・・?」

消え入りそうな小さな声・・・その肩が小さく震えている・・・

「それをボクに聞くの?・・・じゃぁ・・・思い出させてあげるよ・・・」

鬼太郎は目隠しを取り去り、そのままネコ娘を押し倒した。

「んにゃ・・・!・・・き・・・鬼太郎・・・?」

一気に両手でブラウスを左右に開くと小さなボタンがスローモーションの様に
飛んでいく。
白いブラジャーを乱暴にずらすと柔らかく張りのある胸がその姿を現す。
ピンクの胸飾りを唇に含み舌で転がすとそれまで鬼太郎を引き剥がそうとしていたネコ娘の手から
少しだけ力が抜け、その身をピクリと震わせた。
左手をスルリと小さな三角の布の中に滑り込ませ、まだ充分には潤っていない部分を撫でる。

「にゃ・・・きたろ・・・私が・・・悪かったら・・・謝るから・・・もう止め・・・」

鬼太郎の指が的確にネコ娘の感じる部分を捕え、蜜が溢れ出す。

「止めて欲しいなんてこっちのネコ娘は言ってないけどねぇ・・・ほら・・・聞こえるだろ?」

蜜壺を指で掻き回される度に淫猥な水音が響き、その身が跳ねる。

「ボクの指を咥え込んで離そうとしないよ・・・」

「いにゃ・・・そんなこと・・・言わないで・・・」

辱められればられるほど、ネコ娘の蜜壺は鬼太郎の指に心地良く反応する。
そうだ・・・啄むような接吻も壊れ物を扱う様な愛撫も彼女を満たしはしない・・・
痛い程に吸い付き散らす花びらやその瞳が潤む程の羞恥を与えられてこそ
彼女の身も心も堕ちていくのだ・・・鬼太郎の教え込んだその通りに・・・

−−−キミを満たすことが出来るのはボクだけ・・・そうだろ・・・?・・・ネコ娘・・・−−−

鬼太郎の舌が花芯を撫で蜜壺を指で掻き回され、ネコ娘はその身を大きく反らせ
堕ちていった・・・

−−−キミの全てはボクだけのモノ・・・思い出してくれたかい・・・?−−−

脈打ち隆起している彼自身がネコ娘の中へ沈められると
途端にヤワヤワと包み込み締め付けてくる・・・

「や・・・にゃぁん・・・きたろ・・・」

更なる快感を与えられ彼女の瞳からは涙が零れ落ちる。
ボタンが飛び散り肌蹴たブラウス・・・上にずらされたブラジャーから零れ落ちた
白い胸が彼の動きに合わせて揺れている・・・
その彼女の細い手首を押さえ付けたままの行為は鬼太郎の嗜虐心を満たし
ゾクゾクした快感を齎した。

「ネコ娘は・・・犯されるのが好き・・・みたいだねぇ・・・
 ・・・ボクのを締め付けてくるよ・・・」

「いにゃ・・・意地悪・・・にゃはん・・・」

鬼太郎に辱められる度に彼女の蜜壺は反応し鬼太郎自身を堪らなくさせる。

自分が教え込んだ通りに育った彼女・・・その彼女に自分が溺れさせられる・・・
ネコ娘という名の深く暗い底なしの湖・・・ボクはどこまで沈んでいくのだろう・・・

鬼太郎が駆け上がる熱に急かされる様にその動きを速めると
ネコ娘の背が反り、再び奈落の底へ堕ちていく・・・
その彼女の胎内深くに鬼太郎もまた熱を注ぎ入れ、グッタリと崩れ落ちていった・・・


♪鬼さん こちら 手の鳴る方へ♪

♪鬼さん こちら 手の鳴る方へ♪

−−−目隠しを取っても・・・ボクは鬼のままなんだよ・・・−−−

ぐったりと意識を手放したままのネコ娘を抱き上げ
鬼太郎は暗い森の中へと消えていった・・・



               




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