外は雨。
目玉の親父が不在のゲゲゲハウスに
いつものようにゴロリと寝転ぶ鬼太郎と、
小説らしきモノを真剣に読んでいるネコ娘の姿があった。

時折、鬼太郎はその隻眼を薄く開け
傍らに座るネコ娘の横顔を盗み見ていたが
物語に夢中になっている彼女は少しも気付かない。

どの位の時間が経っただろう・・・
鬼太郎が何度目かに目を開けると
ネコ娘は相変わらず本に目を落とし
眉間にしわを寄せたり、大きく目を見開いたりと
クルクル表情を変えている。

彼女の表情を見ているだけで
自分にまでストーリーが解るようだと、鬼太郎は思った。

雨の音をBGMに、彼女のその忙しく変化する表情をずっと
眺めているのも悪くはない・・・が、
折角の二人だけの時間を、このまま終わらせてしまう鬼太郎ではない。

−−−もうそろそろ、自由時間は終わりだよ・・・ネコ娘−−−

自分だけが知り、自分だけにしか見せることの無い彼女の
今とは違う表情を堪能するべく、
鬼太郎はネコ娘に手を伸ばした。

「ンニャッ!!起きたの?」

寝ているとばかり思っていた鬼太郎の突然の行動に
ネコ娘の身体がピクリと震え、その身を引こうとするが
しっかりと手首を掴まれ、逃れることは出来ない。

「さっきからずっと起きてたけど?」

そう言いながら鬼太郎は身体を起こし
ネコ娘に抱きつく格好で、背中のボタンを外していく。
赤みを帯びた柔らかい髪や細く白い首筋から彼女の甘い香りが
鬼太郎の鼻を擽る。

「じゃ・・・じゃぁ、声をかけてくれれば良かったのにぃ・・・」

「君の邪魔しちゃ悪いだろう?・・・でも・・・ねぇ?」

鬼太郎はズボンの中でもう既に隆起している男の部分をネコ娘の身体に押し付けた。

「ニャッ!!」

ボタンを外し終わった鬼太郎が彼女の顔を覗き込むと、
ネコ娘は頬を朱に染め、戸惑いと羞恥の表情を浮かべている。
もう数え切れない程その身を重ねているというのに、
鬼太郎が求めていると気付いた途端、ネコ娘は戸惑い恥じらう。
それは初めての時から今もずっと変わらない。

だがその表情も声も、鬼太郎から与えられる行為によって徐々に艶めいて
やがて女のものへと変化していく。
鬼太郎だけが知っているネコ娘の艶やかな女の表情を思い出しただけで
彼自身がより一層熱を持ち苦しい位になった。

鬼太郎の顔がゆっくりとネコ娘に近づき、
味わうように深く唇を重ねる。
一枚・・・また一枚と、服が脱がされると
ネコ娘の白く透けるような肌が露わになり
先日、鬼太郎が散らした花びらの跡がまだうっすらと残っていた。

−−−だいぶ薄くなってしまったな・・・−−−

花びらは鬼太郎が彼女に科した枷なのだ。
自由で気儘なこの猫が何処にも行かぬように・・・
そして、何時いかなる時でも決して自分のことを忘れぬように・・・

鬼太郎がまたネコ娘の白く柔らかな肌に唇を落としていった・・・



        終



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