新年も明けて二日・・・
今日は妖怪アパートの砂掛けの部屋で気心が知れた連中が集まり
新年会が開かれていた。
もちろんネコ娘も晴れ着姿で・・・と、言いたいところだが
まだいつもの格好で砂掛けの料理を手伝っている。
「すまんのぅ・・・まともに料理が出来るのがわしとお前さんだけなんじゃよ・・・
全く情けない!」
砂掛けはギロリと傍をウロチョロしているアマビエを睨んだ。
ロクロは鷲尾さんとデートで不在の為、こんな時はアマビエひとりが
砂掛けの集中攻撃を喰らってしまう。
「ひぇ!!」
アマビエはソソクサと宴会が開かれている部屋へと逃げて行った。
「いいのよぅ!これが出来れば終わりだし・・・その後でロクちゃんの部屋で
晴れ着に着替えるから」
−−−それにどうせ着飾っても鬼太郎は気付いてくれないだろうし・・・−−−
ネコ娘が小さく溜息を吐く。
「おばば!最後の料理出来たわよ〜!!」
「ご苦労さん!着付け手伝わんで大丈夫か?」
「うん!去年練習してなんとか一人で着られるようになったから大丈夫!!」
ネコ娘のその言葉に砂掛けはニッコリ笑うと最後の料理を手に
台所を出て行った。
「さて・・・と・・・私も早く着替えなきゃ・・・」
手早く台所を片付け、ネコ娘もまた台所を後にし
ロクロの部屋に向かった。
ロクロがいつも使っている姿見の前でネコ娘は持って来た晴れ着に袖を通した。
着物は古着屋で見つけたレトロな柄だが、結構気に入っている。
それに今日は特別、いつものピンクのリボンではなく、赤い山茶花の模様が入ったリボンが
髪を飾っていた。
フッとそのリボンが解けかかっていることに気付き、鏡を覗き込むと
後ろにニッコリ笑う鬼太郎の姿が映し出された。
「き・・・鬼太郎?!ビックリさせないでよぅ!!」
「ちゃんと声を掛けたけど・・・?自分の姿に見惚れて気付かなかったのかい?」
「違うわよ!リボンが解けちゃったから直してただけよぅ!」
「ふ〜ん・・・でも・・・どうせ今から崩れちゃうけどねぇ・・・」
彼の口端が微かに上がる。
「えっ?」
鬼太郎がネコ娘の腕を掴み引くと、ネコ娘の身体がスッポリと鬼太郎の胸に飛び込んできた。
そして、その尖った耳に優しく囁く。
「折角袖を通したみたいだけど・・・着物は脱いだ方がいいよねぇ・・・?
このままじゃ汚れちゃうだろう?
ネコ娘・・・感じ易い性質だから・・・」
鬼太郎が意地悪な笑みを浮かべた。
「ニャッ!!何言ってるのよぅ!皆が待ってるじゃない!早く行かなきゃ!!」
「もうとっくに宴会騒ぎになってるよ・・・ボクが抜け出したことさえ
誰も気付いてないんじゃないかなぁ・・・それに・・・」
ネコ娘の背に廻された手に力が籠る。
「正月が明けて二日の行事って言えば・・・“秘め始め(姫始め)”だしねぇ・・・」
鬼太郎の囁きにネコ娘が耳まで朱に染め顔を逸らした。
「へぇ〜・・・赤くなるってことは・・・ネコ娘、意味知ってるんだ?!
それとも・・・もうどこかで誰かと済ませてきたとか・・・?」
「ずっとおばばの手伝いしてたの知ってる癖にぃ!なんでそんな意地悪言うのよぅ?!」
ネコ娘の瞳が微かに潤む。
自分が言った些細な一言で彼女の瞳や心・・・いや・・・彼女の全てが揺れる様は
鬼太郎の嗜虐心を煽り、彼の身体にゾクゾクした快感を齎すのだ。
しかしそんな事は少しも見せず、ネコ娘の顔を覗き込み
「じゃぁ、ボクと新年の行事・・・“姫始め”しようか?」
まるで歌留多取りでもするかのようにサラリと言った。
「でも・・・誰か来たら・・・それにロクちゃんの部屋なのに・・・」
鬼太郎がドアにちゃんちゃんこを投げると、ドアノブにスルスルと絡み付き
もう内からも外からも開ける事は出来ない。
「これで大丈夫!・・・それにロクロだって今頃は行事の真っ最中じゃないかなぁ・・・
ねぇ・・・ネコ娘・・・」
熱を帯びた隻眼で鬼太郎に見つめられたネコ娘がこれ以上抗える筈も無い。
彼女の首が微かに縦に動いた・・・
鬼太郎の唇がネコ娘の唇と重なり、彼の舌がザラリとした猫族独特の舌に
絡み付く。
身八ツ口から彼の手が差し入れられ彼女の胸を弄ると、
壁に背を凭れさせる様に立つネコ娘の身体がピクピクと反応する。
「鬼太郎・・・着物が・・・皺になっちゃ・・・う・・・」
鬼太郎はネコ娘が羽織っただけの晴れ着をパサリと下に落とし、
長襦袢と肌襦袢を丁寧に脱がしていく。
今はもう裾除けだけのネコ娘を組み敷き、首筋から鎖骨、そして柔らかくもその形を崩すことの無い
胸へと鬼太郎の舌が這い、唇が花びらを散らしていく。
ピンクの胸飾りはすでに尖り、それを口に含み舌で転がすと彼女の声がより一層甘くなる。
裾除けを割り、左手を忍ばせるとネコ娘の蜜壺は蜜を溢れさせ
太腿まで滴り落ちている。
「ネコ娘も“姫始め”待ってたんだろう?・・・ほら・・こんなに溢れさせてさ・・・」
鬼太郎は己が指に透明の蜜を絡み付かせると、それを彼女に見せるように
舌で舐めとる。
意地悪な言葉にネコ娘の表情は恥じらいを見せるが、彼の普段は絶対に見せることのない
そんな仕草は彼女の身体の奥を言いようも無いほど熱く痺れさせ
鬼太郎から寸分たりとも目が離せなくなる。
彼女の足の間に鬼太郎の顔が埋まり、太腿や下腹部に花びらが散らされ
指が蜜壺を弄ると程無くして彼女の身体が反り、小さく悲鳴を上げた。
「軽くイッちゃった?・・・ホント、ネコ娘は感度のいいHな身体してるよねぇ・・・」
そう言ってクスクス笑う鬼太郎にまだ蕩けた瞳のネコ娘が回らぬ舌で反論する。
「そ・・・そんにゃこと・・・にゃい・・・きたろの・・・嘘吐きぃ・・・」
「ボクが嘘吐き?ふ〜ん・・・」
鬼太郎がネコ娘の身体をうつ伏せにし、腰を高く持ち上げると
まだ先程の余韻醒めやらぬ蜜壺に彼自身をゆっくりと埋めていった。
そして・・・背後からネコ娘の顎を軽く掴み上げさせ
「ネコ娘・・・目を開けてごらん・・・」
薄い笑いを口元に浮かべつつも声色だけは優しく囁いた。
「!!」
ネコ娘が鬼太郎の言う通り、目を開けると、そこには・・・
頬を上気させ瞳を艶っぽく潤ませた自分の乱れた姿が大きな姿見に映し出されていた・・・
「いにゃ・・・にゃ・・・あぁん・・・」
羞恥心で艶を帯びた瞳から涙が零れるが、その胎内は鬼太郎を咥え込んだまま
離さないとばかりに締め付け絡み付く。
「・・・くっ・・・自分の乱れた姿で・・・またイッた?
やっぱり・・・Hな身体してるよねぇ・・・?」
ネコ娘の胎内の心地良さと満たされる嗜虐心で鬼太郎の身体をゾクゾクした快感が
駆け巡るが、そんなことはおくびにも出さず、今度は胡坐を掻いた鬼太郎の上に
背を向けた恰好で貫かれる。
「こう・・すれば・・もっとよく・・見えるだろう?
ほら・・こことか・・・ちゃんと見てごらん・・・」
二人の繋がった部分を鬼太郎の手が撫で、指が花芯を円を描くように転がす。
蜜が溢れる赤い花の中心に彼の楔が奥まで打ち込まれ、また戻される・・・
恥かしい・・・見たくはない・・・なのに・・・その行為が映し出される鏡から
目が離せない・・・
「・・きたろ・・・もう・・・イッちゃ・・・にゃぁぁぁん・・・」
ネコ娘の身体が上空高く舞上がり、そして一気に真暗な奈落に落とされ意識を手放すと
鬼太郎もまた彼女の奥深く熱を注ぎ入れた・・・
こちら宴会会場と化した砂掛けの部屋・・・
アマビエが思い出したように鬼太郎とネコ娘がいないと騒ぎ出した。
「鬼太郎はネコ娘と初詣に行くと言っておったから
どこぞの神社にでも行ったんじゃろう・・・」
目玉の親父が汗を掻き掻き説明をするが
「二人だけでズルイじゃないか!!」
酔ったアマビエは駄々を捏ねる。
が、それも暫くすれば治まるのだ。
しかし酔っぱらいとは性質が悪いもので、また他の誰かが同じように
鬼太郎とネコ娘がいないと騒ぎ出す。
もう何度同じことを繰り返したことか・・・
−−−ふぅ・・・これじゃおちおち酔ってもいられんわい・・・−−−
新年会という名の宴会場、父がひとり小さくぼやくが、満ち足りた時間を過ごしているであろう息子に
その表情は優しく微笑んでいた・・・
終
閉じてお戻りください
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