「ネコ娘・・・おいで・・・」

胡座をかいた鬼太郎に背を向けるように導かれ、ネコ娘は彼自身を迎え入れた。
肩にかかる彼の息が熱い。
片手が彼女の胸に、もう一方が花芯を弄ぶ。

「あ・・・ニャ・・・きたろ・・・」

彼女の肩にも背にも花びらが散らされる。

「ネコ娘・・・どこがどう感じてるのか口に出してボクに教えてよ・・・」

鬼太郎が熱を帯びた掠れた声で囁くと、ネコ娘の蜜壺がキュッと締まり
彼の背にゾクゾクした快感が駆け上げる。

「でも・・・ア・・ニャン・・・」

ネコ娘はこうして乱れた声や姿を鬼太郎に晒すだけでも恥かしいというのに
そんな事を口に出すことなどとても出来ない。
ネコ娘が躊躇っていると、鬼太郎が動きを止めた。

「森の中で見た女性はちゃんと言ってただろう?」

「うん・・・でも・・・」

「あぁ・・・口に出せないのは感じてないからかも知れないねぇ・・・
 なら・・・ボクはこのまま止めてもいいけど・・・どうする?」

もちろん本気で言っている訳では無いし、このまま止めることなど出来る訳も無い。
ネコ娘がどれ程感じているかなど彼女が口に出さずとも
その潤んで艶を帯びた瞳を見れば一目瞭然だが、彼女の“初めて”を奪ってから
もう幾度も身体を重ねているというのに、未だに消極的なネコ娘を
鬼太郎は少しづつ自分色に染めようとしているのだ。
しかし、ネコ娘の身体の方は正直な反応を見せ、鬼太郎が動きを止めた今でさえ、
彼女の蜜壺は彼の太腿にまで蜜を滴らせ
先を急かすようにウネウネと絡み付き彼自身を離さない。

「・・・きたろぅ・・・止めないで・・・」

「自分で動いて、言葉で伝えてごらん・・・」

鬼太郎に囁かれ、恥じらいながらもネコ娘は我慢できずに腰を揺らめかす。

「きたろぅ・・・お願い・・・もっと・・・」

鬼太郎の指が胸飾りと花芯を転がし、首筋を舌が這う。
ネコ娘の動きの合わせて、鬼太郎も動きを速める。

「ニャァァン・・奥まで届いて・・いいのぉ・・・」

彼女の言葉通り、ネコ娘の蜜壺は奥まで鬼太郎を締め上げる。

−−−くっ・・・−−−

我慢の限界の鬼太郎だが、一瞬早く、ネコ娘の嬌声が上がり、
そのまま鬼太郎もネコ娘の胎内に注ぎ込んだ。





鬼太郎が目を覚ますと、身支度を整えたネコ娘が台所で食事の用意をしていた。

「あっ!鬼太郎、丁度良かった。今、出来たとこよ」

見ると、囲炉裏に鍋が掛かり、箸休めのおかずが数点置かれている。
鬼太郎は下着だけ身に着けると、いつもの自分の席に座った。

「鬼太郎!下着だけなんて・・・親父さんが帰って来たら
 困るでしょ!」

「父さんなら明日の夜まで帰って来ないよ」

「泊まりで温泉かぁ・・・いいなぁ」

目玉の親父が泊まりならネコ娘も慌てて帰る必要もない。
彼女はずっと心に引っ掛かっている今朝からの事について
思い切って鬼太郎に聞いてみることにした。

「ねぇ、鬼太郎。変だと思わない?」

「なにが?」

「だって・・・森であの二人を見た時は驚いて動けなくなったと思ってたけど
 金縛りの術でもないのに動けなくなるなんてことあると思う?」

「・・・あるんじゃないかなぁ。
 それとも・・・ネコ娘の潜在意識の中に見たい気持ちがあった・・・とか?」

鬼太郎が意地悪な笑みを浮かべる。

「ニャッ!そんなの無いわよ!!
 それに今日は偶然が重なり過ぎだと思わない?」

「ネコ娘、偶然も重なれば必然だって誰かが言ってたよ」

鬼太郎の言葉にネコ娘は今朝からのことを考えてみた。

鬼太郎に本を届けるように言われた日に偶然森で絡み合う男女の姿を目撃し
何故か偶然身体は動かなくなり、突然現れた鬼太郎に偶然助けられたと思ったら
目玉の親父は偶然不在で、帰ろうとしたら偶然吹雪で帰れなくなってしまった。
そうなると必然的に鬼太郎とああなる訳で・・・

「イニャン!」

ネコ娘は顔を真赤にして両手で覆ってしまう。
鬼太郎はネコ娘の考えを見透かしたようにクスクス笑うと
並べられた料理を見回し、とぼけた様に言った。

「二人分にしては多いけど・・・あぁ、成る程!
 また運動したらお腹が空くからねぇ・・・」

「運動?」

「ボクに言わせたいのかい?そうだねぇ・・・言葉より
 ボクの身体で教えてあげるよ・・・」

運動の意味に気付いたネコ娘が耳まで真赤に染め上げ
猫化して怒る。

「もう!!早くご飯食べちゃいなさいよぅ!!」

「はい。いただきます。」

ご飯を食べながら鬼太郎は先程のネコ娘の言葉を思い出していた。

『偶然が重なり過ぎだと思わない?』

−−−ネコ娘・・・偶然を重ねるのもこれで結構大変なんだよ・・・−−−

目玉の親父が戻るまでまだ時間はたっぷりとある。

−−−次はどうやってキミを美味しく料理しようか・・・−−−

ひとり鬼太郎が薄い笑顔を浮かべた・・・

 

              終


                
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